皮膚潰瘍
皮膚潰瘍の診断は以下の点を考慮しおこないます。
- 潰瘍の局所所見の正確な把握(深達度は?病期は?感染は?)
- 患者状態の正確な把握(基礎疾患は?投薬内容は?体動は?)
- 治癒速度の予見(治癒までどのくらい?)
- 治療法の選択(最優先は何?どの治療がbetterか?)
【治療の目標】
- 破綻した防御機構の修復(内部の臓器の保護)
- 第一に日常生活への復帰
- 拡大の阻止
- 感染コントロール
【潰瘍の治癒を妨げる要因】
- 感染
- 肉芽形成不良
- 乾燥
- 安静が保たれない(頻繁の包交はかえって治癒を妨げる)
【皮膚潰瘍の治療に関わる条件】
- 患者様の基礎疾患
- 患者様の内服薬
- 患者様の感染の有無
- 患者様の身体的要因
- 患者様の栄養状態
- 患者様の精神状態
- 介護者の有無、役割
- 社会的、経済的背景
皮膚潰瘍の治癒の条件としては深度がもっとも問題になり、真皮成分が残っている場合と全欠損では大きく異なります。表皮附属器が残っていれば潰瘍中央からの治癒も望めます。
ですが、全欠損の場合は、肉芽形成、潰瘍の収縮、表皮形成の順をおわねばなりません。そして全過程において乾燥は禁物です。個々の患者様の状態を評価し、適切な治療に努めます。
ご不明な点、ご心配な点は直接お尋ねください。